• sumio22moon

もう二度と会うことのできないお友達の話。

きょうは高校のときのお友達の話をしようかな。 最近毎日のように思い出している女の子がいるのです。 その子は 特別気が合う訳でも、一緒に居る時間がたくさんあった訳でもなくて

たまたま部活が一緒の女の子だったのだけど、いつも穏やかに微笑んでいる感じで、

どことなくおねいさんぽくて、ちょっと話し方がローラに似ているかわいい人でありました。 私は 怒ったこともないような彼女のことを聖人だと思っていたので 埋まらない距離があったのだけど なんだかすきなお友達であったのです。 ある日、部活中にこんなことがありました。

そのとき初めて気がついたのだけれど

私の首から一本だけ細い毛が生えるところがあったらしく、

それをお友達が見つけてくれたのでした。

すぐにひっこ抜いたのだけれど、何ヶ月かするとまた生えてきました。ひょろ〜っと。 そんなこんなで、気まぐれ不定期で生えてくる首のひょろ毛とはそれからずっとお付き合いしていて、その間に 私もお友達も高校を卒業して それぞれの道に進んで

そのうち自然と疎遠になってゆきました。 私が地元を離れて大学生活を送っていたそんなある日、

その子が亡くなったと知らされました。

私の高校生活は 自分の心の中がウツウツ煮えたぎるお鍋のような時期だったので、

充実した大学生活の中でわざわざ思い出すこともなく、残している繋がりもほとんどなかったのですが、部活で一緒だった同級生から、「一応伝えておく。」と連絡がありました。 それからは、どんな事情があったのかも、何もわからないまま、もう彼女がどこにも存在しないのだという事実だけが私の中にずっと居座り続けていて。

…それでも時間が経つと、今の自分の目にみえる以外のこと、彼女のことは 記憶から薄れてゆきました。 そんなある日、鏡を見ると、また首からあのひょろ毛が生えていました。 私はそれを見ると同時に、彼女のことを思い出しました。

部活動の中での 彼女の真面目な姿勢や、私にかけてくれた優しい言葉なんかも一緒に思い出しました。 今でも首のひょろ毛が生えてくると、私は一応ひっこ抜くことにしているのですが、忘れた頃にまた生えてきて、彼女のことを思い出させてくれます。 そうして、なぜだか、彼女のことを思い出すたびに、部活で一緒だった時よりも自分にとって近い存在になってくれているような気がするのです。 首に生えてくる気まぐれひょろ毛のことは、昔は「なんでやねん」と思っていたけれど、

今では、大切なお友達を思い出させてくれる存在として、愛してしまっているのでした。 そうして最近また生えてきたから、もうちょっとだけ伸ばして、

また抜こうと思っているところです。 おしまい。

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